第4章 雑草観察の実際~土の状態を見極める~

自然農法の雑草対策は、‘雑草を知り、その役割を認める,ところから始まります。つまり、雑草は自然の摂理に基づいて土を肥沃化するという役割を担って発生してくるという観点に立つならば、雑草対策の立脚点は、‘排除,ではなく、‘土を育てる(肥沃化する),方向にあると考えざるを得ません。実際「土が良くなって草が減った」と多くの農家が実感しています。
一口に雑草と言っても、それぞれに特性が異なり、好む土壌環境が違います。ゆえに雑草の特性を知り、その発生状況を見れば、土壌環境を推測することが可能になってきます。つまり、そこから土への関わり方(栽培)を見出していくことが可能になってくるということです。
雑草は土について、とても多くのことを教えてくれています。雑草はまさしく‘土の代弁者,です。この章では農家生産現場における‘雑草観察の実際,について述べていきたいと思います。

第4章 雑草観察の実際~土の状態を見極める~

※現在、目次のみを掲載しています。順次投稿していきます。

目次

1.水田雑草の基礎知識

1)水田雑草の種類と分類 ~覚えておきたい雑草~
2)種子や塊茎の特性
(1)発芽とは
(2)休眠特性
(3)発芽と酸素と光の関係
(4)発芽温度
(5)出芽深度

2.雑草の発生状況から土を見極める ~観察の実際~

1)ヒエを観察する

(1)主な特性
(2)ヒエの見分け方
(3)ヒエ観察の実際
●ヒエは深水に弱い
●痩せた水田(有機切り替え当初)に多い
●補足

2)ホタルイを観察する

(1)主な特性
(2)見分け方 ~ホタルイとコナギとオモダカ類~
(3)ホタルイ観察の実際
●田面が硬い痩せた土で多発する
●地表が酸化還元を繰り返すと多発する
●アンモニアで発芽刺激

3)コナギを観察する

(1)主な特性
(2)コナギの見分け方
(3)コナギ観察の実際
●未熟ワラで多発する
●発芽可能深度はわずか数mm ~コナギは深水代かきで制御できる~

4)クログワイを観察する

(1)主な特性
(2)クログワイの見分け方 ~ホタルイとの違い~
(3)クログワイ観察の実際
●クログワイ発生圃場の土壌特性
●良く知られているクログワイ対策
●クログワイは土壌の物理性を改善する ~立脚点を探る~
●クログワイの特異的な発生 ~筋状に発生した事例~

5)オモダカを観察する

(1)主な特性
(2)オモダカの見分け方 (ホタルイの項を参照)
(3)オモダカ観察の実際

6)ウリカワ

(1)主な特性
(2)ウリカワの見分け方
(3)ウリカワ観察の実際

7)マツバイを観察する

(1)主な特性
(2)マツバイ観察の実際

8)ミゾハコベを観察する

(1)主な特性
(2)ミゾハコベ観察の実際

9)シャジクモを観察する

(1)主な特性
(2)シャジクモ観察の実際

10)雑草種の遷移

3.まとめ(所感)
~腑に落ちるまで~